【2021年版】シームレスパイプ メーカー19社一覧

シームレスパイプのメーカー19社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。


目次


シームレスパイプとは

シームレスパイプとは接合部のないパイプの事です。

鋼管の一般的な製造方法は、鋼板を丸めて円筒状にし、溶接する事で製造されます。しかし、この繋ぎ目が存在すると使用用途によっては強度面で大きな問題(配管から原油が漏れるなど)に発展する場合があります。

シームレスパイプは強度低下の原因である繋ぎ目が生じない製法(マンネスマン法など)で製造されます。そのため、シームレスパイプは高強度・信頼性が必要な場合に使用されます。

シームレスパイプの使用用途

シームレスパイプは、ガス、石油、水など流体を輸送するために幅広く使用されています。

また、建設用の配管も存在する為、シームレス鋼管にも多くの種類があります。

  • 建設用シームレス配管
  • 流体輸送用シームレス鋼管
  • 高圧ボイラー用シームレス鋼管
  • 冷間引き抜き精密シームレス鋼管

など用途によって材質や規格も違うので、用途にあったシームレスパイプの選定が必要になります。

具体的な使用用途の例としては、石油や天然ガス設備、火力発電所のボイラーチューブ、産業機械の高圧配管などに使用されています。

シームレスパイプの原理

シームレスパイプを製造する代表的な方法として「マンネスマン法」というものがあるので解説します。

マンネスマン法は簡単に言えば、鋼板ではなく、丸棒からパイプを成型します。なので、接合部が生じません。

製造方法としては、ビレットと呼ばれる丸棒形状のパイプの材料を真っ赤になるくらい(約1300℃)に高温で加熱します。ビレットの圧延が可能になったところで、パイプに成型するためのプラグ(シームレスパイプ内径成型用)と呼ばれる工具をビレット中心に押し当てていきます。

そのまま押し当てると、外形に余分な肉(行き場を失ったビレット)が押し出され、パイプ形状にはならないので、外周をロール(コーン型、バレル型などがある)で押さえながら成型していきます。そうすることで、余分な肉は前に押し出され、内径を成型しつつ、外形を整える事ができます。

鋼管圧延技術の一つがマンネスマン法となるわけですね。

シームレスパイプを製造するにあたって、一番生産性が高いのがこのマンネスマン法です。他の製法では極端に生産性が下がります。

一般的に、高温のビレットに対し過酷な圧延を行う為、表面性状は劣る場合があります。同様に、圧延工程の負荷が軽くなる厚肉品の製造が比較的容易と言えます。そんな中、シームレス配管でありながら薄肉加工を得意とする企業も存在します。厚み0.08mmといった極薄な小径シームレスパイプから、径426.0mmサイズ(日本で製造可能な最大径)の大径シームレスパイプまで存在する事を覚えておきましょう。

シームレスパイプと溶接パイプの違い

シームレスパイプと溶接パイプの違いは、配管の製造方法において溶接を用いるかいないかです。そもそもなぜシームレスパイプが必要になるかですが、それは「溝状腐食」が発生するためです。

この溝状腐食とは、配管の溶接部(内側)にV字形の腐食が起こることです。配管の溶接部は高温になるため、材料が持っている組成が変化します。溶接部ともともとの母材で組織に違いができることで、電位差が生じ腐食が発生します。一度腐食が発生すると、溝が形成されさらに加速度てきに腐食が進行、最終的に配管の表面まで到達、もしくは強度不足により流体の漏れや配管の損傷に至ります。

溝状腐食を発生させないようにシームレスパイプを使用する場合もありますが、溶接パイプにも耐溝状腐食鋼管というものも存在します。これは、母材の組成分子の調整(硫黄分の減少)及び、溶接部への特殊元素の添加を行うものです。こうすることで、溝状腐食を発生しにくくしています。通常の配管よりは高価ですが、シームレスパイプほど高価ではないため、仮に漏れても危険性のない液体(水など)の配管として広く用いられます。

シームレスパイプと溶接パイプの価格差

シームレスパイプと溶接パイプ(ここでは例として電縫鋼管とします)の価格の差について説明します。ここでは例として材料はSUS304で考えます。価格は電縫鋼管に対しシームレスパイプはおよそ1.5~2倍です。配管径が小さいと価格差は小さいですが、大きくなると価格差も大きくなります。また厚みによっても多少前後します。さらに、配管材料のステンレスなどは材料自体の値段も増減します。そのため、時期によって価格のばらつきは発生します。購入時には、過去実績も大切ですが直近の材料価格見積をしっかりと把握することが大切です。

配管だけでも1.5~2倍するため、配管の一部取り換えではそこまでの価格差にはなりませんが、新たにプラントを建設するとなると全体のコストが大きく変わってきます。そのため、取り扱う流体に応じて適切な配管選定を行い、コスト削減することが大切です。

参考文献
https://imristeel.com/ja/whats-the-usage-of-seamless-steel-pipes/
https://www.technos-j.com/stainless/stainless-seamless_pipe/
https://www.jfe-steel.co.jp/products/koukan/catalog/e1j-026.pdf
http://www.jssa.gr.jp/contents/products/shapes/tubes/
http://energy-kanrishi.com/pipe-e-s/

シームレスパイプのメーカー情報

*一部商社などの取扱い企業なども含みます。

シームレスパイプのメーカー19社一覧


シームレスパイプのメーカーランキング

社員数の規模

  1. 1 JFEスチール株式会社
  2. 2 イシグロ株式会社
  3. 3 エヌケーケーシームレス鋼管株式会社

設立年の新しい会社

  1. 1 株式会社テクノス・ジャパン
  2. 2 JFEスチール株式会社
  3. 3 大場機工株式会社

歴史のある会社

  1. 1 エヌケーケーシームレス鋼管株式会社
  2. 2 日本金属株式会社
  3. 3 イシグロ株式会社

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